消費者金融というのは、つまるところ「一般庶民にお金を貸してナンボ」の商売であるのだ。それを「債権保全」という自分たちのホンネを第一として捉え、審査を厳格化し、そして新規申込者をことさら厳選するのは、消費者金融業としてある意味、転倒といえなくもないのではないだろうか。まあ、小難しい話はここまでにして、消費者金融各社の審査は、ある面、全金融機関のなかでシビアなところだといっていい。なぜなら銀行が担保を見て融資するのに対し、消費者金融は人間を見て融資する。額の大小こそあれ、どちらが心眼に長けていなければならないかは自明の理であろう。この人に貸してもほんとうにお金が返ってくるだろうか、という所をしっかり見極めなくてはいけないのである。
経常収支不均衡の長期的要因を考えるためには、家計簿が黒字または赤字になるのはなぜかを考えるのが有益である。一年間の家計簿をみると、一方に給与所得を中心とする収入が記載されているのに対して、他方では、さまざまなモノやサービスに対する支出が記載されている。その場合、モノやサービスに対する支出が所得よりも少なければ、家計簿は黒字になる。家計はその黒字を現金で保有したり、一部を銀行に預金したり、さらに国債などの証券を買ったりする。したがって、家計簿が黒字であれば家計の金融資産などの資産保有額は増大する。それに対して、モノやサービスに対する支出が所得を超えると、家計簿は赤字になる。では、所得を上回ってモノやサービスに対して支出できるのはなぜだろうか。それは、一つには家計に過去からの蓄えが、定期預金や国債などの証券の形で貯蓄残高として存在するからである。家計は家計簿の赤字分を定期預金を解約したり、保有していた国債などの証券を売却したりして資金調達することになる。あるいは住宅の購入など高額なモノに対して支出する場合には、定期預金などの解約分では足りず、銀行や住宅金融公庫などから住宅ローンを借りて賄うことになる。定期預金を解約すれば家計の金融資産保有額が減少し、銀行などから借り入れれば負債が増加する。家計の金融資産などの資産保有額から負債を差し引いた残高を純資産と呼ぶと、家計が赤字になる場合には家計の純資産は減少することになる。
現在のインフレがどちらのタイプかというと、コストプッシュ型、つまり「悪いインフレ」である。2008年前半の日本の状況を思い出してみるとわかりやすい。原油価格高騰により、レギュラーガソリンは1リットル=180円台に突入した。原油そのものの価格が上がったために、そのコスト上昇分を転嫁せざるを得なくなったのである。燃料費が上昇したにもかかわらず、多くの運送業者は受注の減少を恐れて運賃を上げることができなかった。そのため、燃料費の上昇分は人件費のカットで対処する以外に道がなくなった。また漁師は、漁に出れば出るほど船の燃料代がかさみ、魚の売り上げより経費のほうが高くつくという状況に陥った。一般の消費者もガソリン価格の高騰を受け、自家用車でなく公共交通機関を利用するといった自衛策をとり始め、ガソリン消費量を落ちこませる結果を招いた。このように、インフレで利益を得た者はほとんどおらず、けっきょくますます景気が減退するという悪循環を生んでしまったのである。
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